教えて!プランツDr.中山さん Vol.7 夏の植物の植替えについて

教えてプランツドクター中山さん

観葉植物のプロによるコラム

植物・夏の植替えについて

こんにちは。 暑い季節になりましたね。
日本は四季がある美しい国なんて言ってますが年々夏が暑くて過ごしにくくなってきている気がします。
人間は暑ければエアコン付けたりなんだりで工夫すれば涼しく出来ますが 植物にとっては、日本の夏は非常に過酷に感じられると思います。 ましてやそれが日本に元々自生していない外国の植物であったなら・・・。

観葉植物、多肉植物のほとんどすべての種が海外から伝来して来ていますから 元々の気候と比べれば日本の夏はどれほど過酷に感じるでしょうかね。
そんな暑い中でも、植物の植え替えをしたいというお声をよく聞きます。
夏に限らずですが、冬でも季節を問わずお気に入りの植物をお気に入りの鉢に衣替えしたいというのは園芸を楽しむ上でとても重要な要素だと思います! そこで、今回は夏の間、我々専門店の人間はどのように気を遣って植え替えをしているかということをお話していきます。
エバーフレッシュ剪定
我々専門店ではお客さまのご要望に合わせて、また商品として販売するために植え替えをする事が多々あります。
といっても、春は特に問題なく植え替えの季節なので対して気を遣わずに植え替えしてしまうのですが・・。
夏は前述にもありますが、植物にとって過酷な季節です。
しかし、熱帯のものがほとんどである観葉植物については成長期でもあるので植え替えは問題なくやっていただいて構いません。
なにが問題かというと、植え替え後の『日差し』『蒸れ』です。
植え替えの際は根を多少なりとも傷つけてしまうので、ダメージを受けた根では葉に大量の水分を送ることが出来ません。
植物は根から水を吸い上げて葉から水蒸気として吐き出し、自分の体を守る作用があるのですが根にダメージが有るとこの作用が効果的に行えなくなってしまうのです。
これに関しましては全季節に言えることなのですが、根を切った場合、それが3分の1くらいの量であれば葉も3分の1落とすことにより植物の負担を減らすことが出来ます。 夏の場合は、このダメージを受けた状態で更に強い日差しを浴びると蒸散量が足りなくなって甚大な被害を受けてしまうことがあります。
また、風通しの悪い部屋などで一気に高温状態(35℃以上)になってしまうと水分が株全体に行き渡らずにしおれてしまい ひどい場合はそのまま回復せずに枯れてしまうこともあります。
以上を踏まえると、夏場の植え替えは
・涼しい時間帯、もしくは曇っている時に行う
・植替え直後は強い日差しの当たらない日陰で涼しく安静にしておく
こちらを守れればそんなに問題なく行えると思います。
また、植替えの他に夏の間に済ましておく作業として剪定や消毒なども重要です。
夏は病害虫が発生しやすい季節です。
室内ではハダニやカイガラムシ、 屋外ではうどんこ病や毛虫被害など。
色々な菌や虫が発生しますので、初夏のうちに予防してあげると 後々のダメージが少くて済みますよ! お店でも大体6月の初旬に薬を撒いたりして予防していますが、それでも発生しますのであとは事後対策で発生した後に駆除、殺菌をしていますね。
また、夏は枝も葉もよく伸びます!成長期なので。
どんどんと茂って見栄えが悪くなりますから、夏のうちに思い切って剪定しましょう!
仕立て直すことで、お持ちの植物にさらなる魅力と愛着が出てくると思いますよ!

中山裕二氏
埼玉県越谷市にある観葉植物専門店GREEN JAMの店主・
中山裕二さん。
多肉やエアプランツはもちろん、塊根植物なども揃う、注目の観葉植物専門店。仕入れは必ず信頼のおける生産者さんから中山さん自身の目で見て直接選ぶ。個性的な植物や樹形のしててにこだわった一点ものなど質が高くてレアな品種が揃うとグリーンマニアの中でも話題のお店。
■観葉植物専門店GREEN JAM 埼玉県越谷市花田4-9-18 公式ホームページはコチラ

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